犬も、「感情の動物」です。
『オペラント条件付け』に対して、『古典的条件付け』というアプローチがあります。梅干しを頭で想像すると、よだれが出てきてしまうことってありませんか?これが、「古典的条件付け」です。
この方法を利用して直接犬の感情にアクセスして、感情そのものを変えてしまおうというアプローチも出てきました。また犬の自然な行動から感情を読み解く方法も確立されてきました。
この自然な行動を「ボディーランゲージ」や「カーミングシグナル」と言います。このように感情の力を重視して、感情から問題行動を解決していこうというアプローチが、アメリカでは現在進行形で進化しています。
それだけではありません。人もまた感情の動物です。
犬と接する時いつも同じ感情ではありませんし、家族といえどもの犬と接するときにみんな同じ気持ちではないのです。同じ犬でも接する人によって犬の行動が変わることはあなたも経験していると思います。私たちが人の感情を重視し始めたきっかけは作業犬の育成に携わった時でした。私たちは家庭犬だけでなく作業犬を育成し、そのハンドラーを指導する事があります。
同じ指導方法、同じ犬、同じ高い能力をもつ人にもかかわらず訓練の結果が全く違うものになったのです。その時は何が原因かわからず相当悩みましたが、今はその原因がわかります。
その原因は・・・「人(飼い主)の感情」が違ったのです。