『他のワンちゃんが怖いんです』『家族以外の人が嫌いなんです』
これも、とても多く寄せられるお悩みです。これは、治らないのでしょうか?
答えは、もちろん「いいえ」です。
性格的に怖がりである、臆病であるというのは性格の傾向ですから、それ自体を変えるのはなかなか難しいです。
しかし、他の犬、他の人が嫌いというのは、克服することはできます。
考えてみて下さい。
そういう性格の犬でも家族を怖がるわけではないですし、もし同居犬がいれば、その犬には慣れていくわけです。
つまり、人そのもの、犬そのものがダメというわけではないんです。
ただ「経験不足」というだけなのです。
きちんとした手順で、経験をつんでいけば、必ず克服できるようになります。
ポイントは、きちんとした手順でという点です。決して、焦ったり、無理をしないで下さいね。
さて、ここで質問です。
もし、他の人と楽しい経験をたくさんしたら?
もし、他の犬は攻撃するわけではないという経験をたくさんしたら?
一体、どうなるでしょう?
犬は、確率で判断する動物です。確率が高い経験で判断するようになります。
つまり、「他の人は楽しい」、「他の犬は安全」という経験が増えると確率論で考えるようになります。
そういう精神状態になったら、犬は無駄に攻撃をしなくなります。
きっとあなたはここで、こういう質問を返したくなるかもしれません。
子犬ではないのですが、今からでも大丈夫ですか?
その答えは、「大丈夫です!!」
もちろん、子犬と比べると、同じスピードで慣れるわけではありません。
しかし、成犬になっても学習する力はあります。
犬のがっこうの教室で、隅っこのほうで固まっていた子が、他の犬の臭いをかげるようになるのを何度も見てきました。
他の人に触られただけでおしっこ漏らしていた子が、自分から近づく姿を何度も見てきました。
あなたが諦めなければ、必ず克服できるようになります。
ではどのように慣らしていけばよいのでしょう?
他の犬の場合と他の人の場合で解説します。
基礎訓練
人の横について歩く「ついて」「おすわり」「まて」ができるでしょうか?
もしできなければ、ここから練習します。
これがどれくらいできるかで、
・その犬の我慢する力がどれくらい育っているか?
・人の言うことをきちんと聞けるのか?
がある程度分かります。
これができてないうちだと、危険が伴うので、人慣れ、犬慣れの練習はしない方が良いでしょう。
他の犬の場合
まずは、性格が分かっている犬に協力してもらって、他の犬と接触して慣れるチャンスを作ってあげて下さい。
まずはお互いにリードがついた状態で、すれ違います。
最初はお互いが意識しない5mくらい離れた距離から、始めるのが良いと思います。
そこから距離を詰めていきます。
もし吠えたり、うなったりした場合は、きちんと止めさせて下さい。
上手く止まらない場合は、もう少し距離を離して下さい。
それがある程度できるようになったら、次のステップに進みます。
犬を飼っているお友達の家にお邪魔するか、 自分の家にお友達の犬を招くなどして、犬同士が、自分の意思で接触できるチャンスを作ってあげます。
その際の注意事項は、
・お友達の犬の攻撃性が無いこと確認して下さい。できれば犬のボディーランゲージが分かっている方が良いです。
・リードなどで拘束されていると、自分のペースでの接触ができないのでノーリードにできる場所で練習してください。万一ケンカが起こったときのために、リードは引きずらせておくことが良いでしょう。
・犬が攻撃してしまう距離までは近づけすぎないで下さい。
・自分から興味を持つのを待って下さい。
・変化が見えない場合も、愛犬の意思を尊重して、少しの変化を褒めること。
・万一の場合に攻撃が止まるくらい訓練を入れておくこと。
・飼主さんがいると頼ってしまうので、できればいないほうが良いですが、不可能ならば、頼らない場所に逃げるか隠れて下さい。
しかし、こういう状況を作るのはなかなか難しいものです。
ドッグランは、いろんな犬がいるので、あまりお勧めしません。(ドッグラン自体をお勧めしないのではなく、おとなしめの子には刺激が急すぎるということです。)
本当は、犬の幼稚園的な所に入れるのが、一番楽で効果のある方法です。
ただ、犬の幼稚園は年齢制限がありますので、成犬は難しいです。
社会化できる環境を作るというのは、自分たちが出張トレーニングの現場で、本当に困っていたことでもあります。
そこで、お勧めなのが、犬のがっこうエコールです。
エコールでは、成犬でも受け入れていますので、愛犬の社会性を養うトレーニングを行っています。
他の人場合
まずは協力してもらえるお友達を探して下さい。
犬は抱っこなどをせずに地面において下さい。
リードは万一のことを考えてつけておいて下さい。
お友達には目を見ないで、できるだけ低い姿勢をとってもらって下さい。
この時点で、攻撃的な態度が見られる場合は、それ以上無理をしない下さい。
もし、少し興味を示しているようであれば、手の甲の臭いを嗅がせてあげて下さい。
指を出すと噛む可能性があるので止めて下さい。
まずは、臭いをかげたら褒めてあげて下さい。
おやつが食べられそうなら、お友達の手から与えるのも一つです。
細かいことまではなかなかお伝えできませんが、以上のことをやってみるだけでも、愛犬の反応の特徴はつかめると思います。
攻撃性がすでに出てしまっている場合は、リスクが高いのでお勧めしませんが、そうでない場合は、挑戦してみて下さい。
「これは性格だから仕方がない」とあきらめる選択肢もあなたにはあります。
それも決して悪い選択肢だとは思いません。
でも、犬と一緒に乗り越えた先にあるものは、また違った幸せが待っています。
私たちはこの幸せを少しでも多くの、犬を飼っているご家庭に伝えるため、活動をしています。
避けるよりも挑戦して乗り越える喜びをぜひあなたにも味わって頂きたいと思っています。
愛犬と「真剣に」向き合うと、自分の弱さに直面します。
・一つのことが長続きしない。
・感情的になってしまう。
・誰かのせい、何かのせいにしたくなる。
・物事の良い面より悪い面が気になる。
・他と比べてしまう。
などなど、こういう自分の弱さのせいで、犬に意思が伝わらないこともあります。
ですので、こういう自分の弱さを認めていかないと、人も犬も成長できません。
しかし、「真剣に」犬と向き合ったとき、犬は必ずヒントを出してくれます。
自分の弱さを受け入れた時、それが強みに変割ります。
今でも、100%できているとは思いません。
もしかしたら、10%くらいしかできていないかもしれません。
時にはマイナス成長に感じることもあります。
それでも確実に犬も人も共に成長していることが実感できます。
私たちはこの仕事に巡り逢え、ご提供できること幸せを感じています。
犬が成長していく姿は、とても嬉しいことです。
さらに、飼い主さんが笑顔になってくれると、もっともっと嬉しいです。
そのお手伝いができることが私たちの喜びです。
私たちの周りには素敵な犬とその家族がたくさんいます。
いつか、あなたと愛犬にも会えることをとても楽しみにしています。
もしもお困りのことがあれば、私たちにお手伝いをさせてください。
まずは、無料カウンセリングから始めてみて下さい。
お待ちしております。